「ご自愛ください」の意味と新年挨拶での使い方！失礼にならない文例まとめ

新年のあいさつや年賀状の文面でよく使われる「ご自愛ください」。

一見フォーマルな印象のある言葉ですが、正しく使うと相手にやさしい気遣いと上品さを伝えられます。

この記事では、「ご自愛ください」の意味や使い方の基本をはじめ、ビジネス・友人・家族などシーン別の実用例文をたっぷり紹介します。

文末の一言に悩んでいる方も、これを読めば自然に使いこなせるようになります。

相手に心のこもった新年のあいさつを届けたい方に、ぜひ参考にしてほしい内容です。

ご自愛くださいとは？新年の挨拶での意味と使い方

「ご自愛ください」は、新年のあいさつ文や年賀状でよく使われる言葉です。

この章では、その意味や使い方の基本、似た表現との違いを分かりやすく解説します。

「ご自愛ください」の本来の意味

「ご自愛ください」とは、相手に対して「自分を大切にしてください」という気持ちを伝える丁寧な表現です。

直接的に「体に気をつけて」という意味ではなく、もっと広く「日々を穏やかにお過ごしください」という優しいニュアンスを含んでいます。

もともとは手紙の結びの言葉として使われており、長い年月を経て、現代でも変わらず親しまれている言葉です。

「ご自愛ください」は、相手を思いやる心を言葉にした伝統的なあいさつ表現です。

表現	意味・使う場面
ご自愛ください	フォーマルで丁寧。ビジネス・年賀状などに使える。
お身体に気をつけて	カジュアル寄り。親しい相手に使いやすい。
どうぞお元気で	柔らかい印象。プライベートで使うことが多い。

新年のあいさつで使うときのニュアンスと注意点

新年のあいさつで「ご自愛ください」を使うと、相手への敬意と気遣いを自然に伝えることができます。

特に年賀状やビジネスメールでは、文末に添えることで文章全体が落ち着いた印象になります。

ただし、同じ文中に「ご健康」や「体調」などの語を重ねて使うと、ややくどく感じられる場合があります。

1つの文章に似た意味の言葉を重ねないことで、より品のある文面になります。

たとえば、「寒い日が続きますので、ご自愛くださいませ。」のように、短くまとめると自然です。

正しい使い方	やや不自然な使い方
寒い日が続きますので、ご自愛くださいませ。	寒い日が続きますので、体調に気をつけてご自愛くださいませ。

「お身体ご自愛ください」との違い

「お身体ご自愛ください」という表現も見かけますが、文法的には少し重なりのある言い方です。

「ご自愛」自体に「自分の体を大切に」という意味が含まれているため、「お身体」を付けると意味が重なってしまうのです。

とはいえ、日常的には間違いとして扱われることは少なく、むしろ柔らかい印象を与える場合もあります。

フォーマルな文書では「ご自愛ください」、親しい相手には「お身体ご自愛ください」でもOKと覚えておくと便利です。

表現	適した場面
ご自愛ください	ビジネス、年賀状、公式文書
お身体ご自愛ください	友人、家族、カジュアルな手紙やメッセージ

新年挨拶での「ご自愛ください」ビジネス向け例文集

ビジネスの新年挨拶では、相手への敬意と信頼を表す表現が欠かせません。

ここでは、上司・取引先・顧客などに使える「ご自愛ください」を含む実践的な文例を紹介します。

どの例文もそのままメールや送付状、年賀状に使える形式です。

上司・取引先に使える丁寧な例文

まずは、ビジネスの基本であるフォーマルな新年挨拶文です。

堅すぎず、しかし礼儀を欠かさない文調を意識しましょう。

シーン	フルバージョン例文
取引先宛て	謹んで新春のお慶びを申し上げます。 旧年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。 本年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 本格的な寒さが続いておりますので、どうぞご自愛くださいませ。
上司宛て	新年あけましておめでとうございます。 昨年中は多大なるご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。 本年もより一層精進してまいりますので、変わらぬご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。 寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛のうえお過ごしください。

社外メール・送付状に使うときの文末例

メールや送付状では、本文の結びとして「ご自愛ください」を添えると文章全体が整います。

以下は、実際の社外対応メールにも自然に使える結びの例です。

用途	文末例
一般メール	本年も何卒よろしくお願い申し上げます。 寒さが続きますので、どうぞご自愛ください。
送付状	ご査収のほどお願い申し上げます。 皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。 何卒ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
礼状	ご厚情に深く感謝申し上げます。 これからも変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます。 どうぞご自愛のうえ、良い一年をお迎えください。

寒中見舞いや年賀状にも応用できる文例

年賀状や寒中見舞いの文面にも「ご自愛ください」は自然に溶け込みます。

ややフォーマル寄りの文調に整えると、より落ち着いた印象になります。

タイプ	フルバージョン例文
年賀状文例	謹んで新春のお慶びを申し上げます。 旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。 本年も皆様にとって素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。 寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
寒中見舞い文例	寒中お見舞い申し上げます。 年明けよりご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 まだ寒さが続きますので、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。

「ご自愛ください」は文末に置くと上品で柔らかい印象を与える万能フレーズです。

特にビジネスでは、時候の挨拶と合わせて自然に締めるのがポイントです。

友人・家族などプライベート向けの新年例文

プライベートな新年の挨拶では、形式ばった言い回しよりも、やわらかく温かみのある表現が好まれます。

この章では、友人や家族、親しい人に使える「ご自愛ください」の自然な使い方と、実際のフル例文を紹介します。

文面のトーンを少し変えるだけで、距離感の近い相手にも違和感なく伝えられます。

親しい相手に自然に使う「ご自愛ください」

親しい人に「ご自愛ください」を使うときは、ややかしこまりすぎないよう、文中の言葉遣いをやわらげましょう。

「お身体に気をつけて」などの表現と置き換えながら使うのも自然です。

相手	短文例
友人	今年も楽しい一年にしようね。寒い日が続くけど、ご自愛ください。
家族	今年も穏やかに過ごせますように。無理せずご自愛ください。
知人	新しい一年が笑顔の多い日々になりますように。どうぞご自愛ください。

親しい人には、「気軽な語り口＋ご自愛ください」で自然なあいさつに。

カジュアルな年賀メッセージへの取り入れ方

LINEやメールなど、短文でやりとりする場合にも「ご自愛ください」は使えます。

ただし、かたい印象になりすぎないよう、文章の前後をやさしい言葉で包むのがコツです。

媒体	例文
LINEメッセージ	あけましておめでとう。今年もたくさん話そうね。 寒い時期だから、無理せずご自愛ください。
メール	あけましておめでとうございます。 昨年はお世話になりました。 また楽しい時間を一緒に過ごせたらうれしいです。 寒い日が続くので、ご自愛くださいね。
ポストカード	新しい年も笑顔でいっぱいの一年になりますように。 どうぞご自愛ください。

ポイント：句読点のリズムを意識して、「〜ね」「〜ように」など優しい語尾を組み合わせると親しみが出ます。

SNS投稿やメッセージでの使い方のコツ

SNSでは、フォーマルな印象を和らげるために、文章を短く整えるのがコツです。

年始の投稿では、他のあいさつ語と組み合わせると自然になります。

投稿スタイル	使用例
Instagram	あけましておめでとうございます。 今年も笑顔で過ごせますように。 寒い季節ですが、ご自愛ください。
X（旧Twitter）	あけおめ。今年もどうぞご自愛ください。

SNSでも「ご自愛ください」を使うと、言葉に温かみを添えることができます。

シンプルで短い文でも、丁寧な印象を残せるのがこの言葉の魅力です。

「ご自愛ください」を使う際のマナーと注意点

「ご自愛ください」は便利で上品な表現ですが、使い方を誤るとやや不自然に感じられることもあります。

この章では、言葉遣いのマナーや使いすぎを避けるコツ、そして代わりに使える表現を紹介します。

ビジネス・プライベートどちらにも応用できる、実践的な使い方のポイントを押さえておきましょう。

目上の人・ビジネス相手に使うときの表現の工夫

目上の方や取引先に使うときは、単に「ご自愛ください」だけでは簡潔すぎる場合があります。

そのような場合は、副詞や結びの言葉を添えて、より丁寧に仕上げるのがおすすめです。

組み合わせ方	例文
「どうぞ」＋ご自愛ください	寒い日が続いております。どうぞご自愛ください。
「何卒」＋ご自愛くださいませ	何卒ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
「くれぐれも」＋ご自愛ください	くれぐれもご自愛のうえお過ごしください。

副詞を添えると、敬意とあたたかみを両立した表現になります。

重ね言葉や繰り返しを避ける使い方

「ご自愛ください」は、もともと相手を思いやる意味を含んでいるため、同じ内容を繰り返す必要はありません。

たとえば、「お体に気をつけてご自愛ください」のように似た表現を重ねるのは避けましょう。

重複をなくすだけで、文章全体が洗練された印象になります。

良い例	避けたい例
寒さが厳しい折、ご自愛ください。	寒さが厳しい折、お体に気をつけてご自愛ください。
お忙しい毎日かと思いますが、ご自愛のほどお願い申し上げます。	お忙しい毎日かと思いますが、体調に気をつけてご自愛ください。

同じ意味の語を重ねないだけで、文がぐっとスマートになります。

代わりに使える表現と使い分け方

「ご自愛ください」ばかりを使うと、少し形式的に感じられることもあります。

そんなときは、言い換え表現をうまく使って、文章に変化をつけましょう。

代替表現	特徴・使い方
お元気でお過ごしください	親しい関係に自然。日常会話にも使える。
穏やかにお過ごしください	柔らかく優しい印象。はがきやSNS向き。
お健やかにお過ごしください	ややフォーマル。年賀状や手紙におすすめ。

これらの表現を使い分けることで、相手やシーンに合わせた言葉選びができます。

「ご自愛ください」は万能な一方で、他の表現と組み合わせることで、より心のこもった文章になります。

「ご自愛ください」は新年以外にも使える便利表現

「ご自愛ください」は、新年のあいさつに限らず、季節の便りや転職・退職の挨拶、ちょっとしたお礼メールなどにも使える表現です。

この章では、季節ごとの使い方やシーン別の実践例を紹介します。

一度使い方を覚えておくと、どんな時期でも自然に気遣いを伝えられます。

季節の挨拶に使える例文（春・夏・秋・冬）

季節の変わり目は、相手を思いやる言葉を添えるのに最適なタイミングです。

「ご自愛ください」はどの季節にも合わせやすく、季節感を表す一言を加えると印象がぐっと良くなります。

季節	例文
春	暖かい日が増えてきました。新しい季節をおだやかにお過ごしください。どうぞご自愛ください。
夏	日差しが強くなる時期ですね。おだやかな時間をお過ごしください。ご自愛のほどお願い申し上げます。
秋	風が心地よい季節となりました。お忙しい毎日かと思いますが、どうぞご自愛ください。
冬	寒さが続いております。おだやかなひとときをお過ごしください。くれぐれもご自愛くださいませ。

季節の情景を添えるだけで、「ご自愛ください」がより自然で印象的になります。

退職・転職の挨拶文での使い方

仕事の節目に「ご自愛ください」を添えると、あたたかく丁寧な印象を与えます。

別れの場面でも、前向きな気持ちを伝えることができます。

シーン	フルバージョン例文
退職あいさつ	このたび、一身上の都合により退職することとなりました。 これまでのご厚情に心より感謝申し上げます。 今後とも皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 季節の変わり目ですので、どうぞご自愛くださいませ。
転職報告	このたび、新しい職場にて新たな一歩を踏み出すこととなりました。 在職中は温かいご支援を賜り、誠にありがとうございました。 これからも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。 どうぞご自愛のうえ、穏やかな日々をお過ごしください。

別れの言葉に「ご自愛ください」を添えると、優しい印象で締めくくることができます。

お礼やちょっとしたメッセージへの応用例

感謝や近況報告のメールの最後に「ご自愛ください」を加えると、文が自然にまとまります。

簡単なやり取りでも、丁寧な印象を残せるのがこの表現の魅力です。

用途	例文
お礼メール	先日はお時間をいただき、ありがとうございました。 今後ともよろしくお願いいたします。どうぞご自愛ください。
お祝いメール	このたびは誠におめでとうございます。 素敵な日々が続きますように。ご自愛のほどお願い申し上げます。
近況報告	最近は落ち着いた毎日を過ごしています。 そちらもお変わりなくお過ごしください。 どうぞご自愛くださいね。

「ご自愛ください」は、形式ばらずに心を込めたいときの万能表現です。

一文添えるだけで、相手との関係がよりやわらかく、あたたかいものになります。

まとめ：新年の「ご自愛ください」で心のこもった挨拶を

ここまで、「ご自愛ください」の意味や使い方、そして新年の挨拶における文例を見てきました。

最後に、この記事の要点を整理しながら、言葉の持つ優しさを再確認していきましょう。

ポイント	内容
意味	相手に「自分を大切にしてください」という気遣いを伝える表現。
使う場面	新年の挨拶、メール、手紙、送付状など幅広く活用できる。
使い方のコツ	文末に置くことで、上品で落ち着いた印象になる。
注意点	似た言葉を重ねず、副詞を添えて柔らかく整える。

「ご自愛ください」は、日本語ならではの丁寧で思いやりある言葉です。

相手を思う気持ちを、短い一文でやさしく伝えることができるのが、この表現の最大の魅力です。

特に新年のメッセージでは、華やかさよりも心の温かさを感じさせる締めくくりとしてぴったりです。

新年の「ご自愛ください」は、形式ではなく“思いやり”を言葉にする小さな贈り物です。

今年の年賀状やメールを書くときには、この記事で紹介したフレーズを参考に、自分らしいメッセージを添えてみてください。

短い言葉でも、真心をこめて書くことで、印象はぐっと変わります。

相手の一年が穏やかでありますように――そんな気持ちを込めて、「ご自愛ください」と結んでみましょう。