台風のヘクトパスカルが低い方が強いのはなぜ?

台風のニュースでよく耳にする
「ヘクトパスカル(hPa)」という言葉。

実はこの数値、
台風の強さや危険度を知るうえで非常に重要な指標なんです。

でも…

「ヘクトパスカルって何の単位?」
「どうして数字が低いほど台風が強いの?」

そんな疑問に答えるべく、
今回の記事ではその仕組みと見方をわかりやすく解説します☁️

なぜ「気圧が低いほど台風は強い」のか?

気圧差が風を生み出す仕組み

台風の中心気圧が低くなると、
その周囲との「気圧差」が大きくなります。

この気圧差が大きいほど
空気は中心に向かって勢いよく流れ込みます。

その流れが風=台風の暴風となるのです。

▶関連記事「台風の風の強さはどう決まる?危険半円とは?」

風速と気圧の関係

周囲の高気圧から空気が一気に流れ込むことで
台風の中心付近では猛烈な暴風が発生します。

このように、気圧が低い台風ほど風速が強くなるため、
被害の大きな台風になる傾向があるのです。

例えば…

– 1000hPa台の台風 → 一般的な強風
– 950hPaを下回る → 電柱が倒れるレベルの暴風
– 930hPa以下 → 屋根が飛び、高潮の危険も

注意
台風の被害は風だけではなく、
・高潮
・洪水
・停電や断水
などの二次災害にもつながります。

気圧が低い台風の危険性とは?

950hPa以下の台風は要警戒

中心気圧が950hPaを下回る台風は、
暴風だけでなく大雨・洪水・高潮のリスクが非常に高まります。

過去には900hPaを切る台風もあり、
甚大な被害や死者が出た記録も残っています。

▶関連記事:「高潮・洪水の違いと台風時の対策」

台風とヘクトパスカルの基礎知識

台風とは何か

台風は、強い熱帯低気圧の一種です。

主に夏から秋にかけて
赤道付近の暖かい海上で発生し、
発達しながら日本付近へと北上してきます。

台風がもたらすのは…

  • 猛烈な暴風
  • 激しい大雨
  • 高潮や高波

私たちの暮らしに大きな影響を及ぼす自然災害のひとつです。

▶関連記事:「台風の進路はなぜ北東?回転方向と風の関係」

ヘクトパスカルとは

ヘクトパスカル(hPa)は、気圧を示す単位です。

1ヘクトパスカル=
1平方メートルの面積に約10kgの空気の重さがかかる圧力のこと。

もともとは「ミリバール」という単位が使われていましたが、
現在は世界的に「ヘクトパスカル」が使われています。

標準的な気圧は?

晴れた日の地表での気圧は
およそ1013hPa
これが基準となる気圧とされています。

▶関連記事:「気圧と天気の関係をわかりやすく解説」

台風と気圧の関係

台風は「低気圧」の一種

台風は、気圧が周囲よりも著しく低い低気圧です。

その中心部分では
空気が大きく吸い込まれ、
空気の渦=回転運動が生まれます。

この吸い込みの力こそが、
台風の強風の原因なんです。

気圧差が風を生み出す

周囲の高気圧との気圧差が大きくなると、
空気は一気に中心に向かって流れ込みます。

この空気の流れが「風」となるため、
気圧が低いほど風が強くなるのです。

台風の強さを示すヘクトパスカル

台風の中心気圧で強さがわかる

台風の強さを判断する最も重要な情報が
中心気圧(hPa)です。

中心気圧が低ければ低いほど、
風は強く、勢力の大きい台風となります。

中心気圧と強さの目安

中心気圧 台風の強さ
1000hPa以上 比較的弱い台風
980〜999hPa 中程度の台風
960〜979hPa 強い台風
950hPa以下 非常に強い台風

過去の強力な台風の例

  • 第二室戸台風(1961年):925hPa
  • 伊勢湾台風(1959年):929hPa

いずれも甚大な被害をもたらした記録的台風です。

▶関連記事:「歴代最強クラスの台風一覧と被害の特徴」

 

天気予報でヘクトパスカルの数値をどう見る?

「中心気圧○○hPa」に注目!

ニュースや天気予報では、

「台風の中心気圧は945hPaです」

といった情報が出ますよね。

この数値が950hPa以下だった場合は、
強い警戒が必要な台風と考えましょう。

風速だけで判断しない

風の強さ(最大瞬間風速など)も重要ですが、
気圧の低さが勢力を表す核心的な情報です。

数値を見た瞬間に「危険度の目安」がわかるよう、
日頃から慣れておくと安心です。

防災対策にはヘクトパスカルの知識が役立つ

気圧が低いと感じたら、すぐに対策を

– ベランダの片付け
– 雨戸・シャッターの固定
– 非常食や水の準備
– 避難情報のチェック

これらは台風の強さが950hPa前後に達しそうな場合
前日中には実施しておきたい防災対策です。

「数値を見て動ける」ことが重要

ただ「台風が来てる」ではなく、
「この台風、940hPaか…これはやばい」
と気づけるようになると、防災行動も素早くなります。

ヘクトパスカルと他の単位の違い

ミリバールとの違い

かつて使われていた「ミリバール(mb)」と、
現在の「ヘクトパスカル(hPa)」は、実は同じ数値です。

例:950mb=950hPa

単位が統一されたことで、
世界中の気象データが共有しやすくなった背景もあります。

1ヘクトパスカルってどれくらい?

1hPaは、1平方メートルあたり10kgの空気の重さ

つまり標準気圧(1013hPa)は、
約10トンの空気の重みが1㎡にかかっているということ。

気圧は「空気の重さ」であることをイメージすると、
台風がいかに空気のエネルギーをまとった巨大渦なのかが伝わってきます。

まとめ:ヘクトパスカルを読み取る力を身につけよう

ヘクトパスカル(hPa)は、
台風の強さを見極める重要な数値です。

✔ 気圧が低い=気圧差が大きい=強風になる
✔ 950hPa以下は「非常に強い台風」
✔ 天気予報では「中心気圧」に注目

天気予報で数値を見ただけで、
どれくらい危険な台風なのかを判断できると、
備えのタイミングもバッチリです🌪️

「なんとなく」ではなく、「数字で」判断する防災意識を
日頃から少しずつ身につけていきましょう。

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